■「日本の色」と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんな色?
それは、春に咲き誇る桜でしょうか、秋のたおやかな紅葉でしょうか。日本の四季と自然にあふれる「色」を紹介しながら、本企画展のテーマである、日本の伝統色の世界にいざないます。

■日本の伝統色って?
日本の伝統色とは、日本の風土や四季、暮らし、文化の中から見いだされ、名づけられた色のことです。本企画展ではその日本の伝統色のうち、特に自然との関係が深い150色の色名(しきめい)とその由来※をご紹介します。「利休」が付く色名は茶葉や抹茶のような渋みのある緑がかった色、「鼠」が付く色名はくすんだ彩度の低い色、など、伝統色の色名は決まった言い回しによってそのわずかな違いが表現されており、当時の人々の豊かな色彩感覚が反映されています。それらの伝統色を施した丸いパネルを並べ、会場を色鮮やかに彩ります。日本の四季や自然、暮らしが育んだ美しい色彩の空間を、ぜひご体感ください。
※本企画展で紹介する日本の伝統色の色と由来は、DICカラーガイド( DICグラフィックス株式会社が提供する、色彩を印刷やデザイン等で再現するために使用される色見本帳 )『日本の伝統色』をもとに作成しています。

■色の組み合わせにも名前が! かさね色目(いろめ)の世界
平安時代の貴族たちは、色の組み合わせにも四季折々の自然やその移ろいにちなんだ名前を付け、それを衣装にも取り入れました。紅葉が緑色から黄色、赤色へと移り変わる様を表現するため、衣装の表地に青色、裏地に朽葉色を組み合わせたかさねは「青紅葉(あおもみじ)」と呼びます。このように、色の組み合わせにまで四季や自然を表現しているのは、日本独自の文化と言えるでしょう。この衣のかさねの代表的な衣装である十二単を本企画展では実物展示いたします。ぜひ間近で、その幾重にも重なる鮮やかな色の層をお楽しみください。

「春雫-Harushizuku-」(提供:十二単東京)
■「うれしい色」ってどんな色? 色が与える心理的効果とは
色は、人の感情や行動に、どのような影響を与えているでしょうか。例えば「赤い蛇口=お湯」という直感は、色が持つイメージが私たちの行動に影響を与えている例の一つです。伝えたい気持ちに合わせて色を選ぶことで、見る人により強くメッセージを伝える、色は暮らしの中でそうした役割を果たしています。色と心のつながりをより来館者に実感していただくため、それぞれが感じる「うれしい色」と「かなしい色」を用意した6色の中から1色ずつ選んでパネルに貼って投票していただきます。どんな色の「うれしい」「かなしい」作品が完成していくのでしょうか?
■色が見えるしくみって? 色料の三原色と光の三原色を体験
人はどのようにして色を認識しているのでしょうか。目のつくりと色を識別するメカニズムを解説します。また、色を作り出す「色料の三原色」と「光の三原色」という二つの異なるしくみとその違いをパネルで図解します。会場では、カラーフィルムやカラーライトをつかって、実際に「色を作る」体験をすることができます。


3つの色光を重ねると、なに色になる?
■来館者が作る参加型展示「あなたの好きな色は、どんな色?」
展示を締めくくるのは、来館者のみなさまと作り上げる参加型アートです。7つの日本の伝統色をイメージしたリボンの中から、お気に入りの1色を横格子に結んでいただきます。一人ひとりの「好き」が積み重なり、格子は日ごとに表情を変えていきます。
会期最終日、そこには一体どんな景色が広がっているのでしょうか。真っさらな格子が、会期を通じて徐々に鮮やかな色彩で満たされていくプロセスに、来館者もご参加いただきます。

