序章「カガクノミカタってなぁに?」
■「科学の見方」ってなぁに?
カガク(科学)という言葉とミカタ(見方)という言葉、「科学の見方」とは何でしょうか。科学的な見方には3つの条件があります。
①事実をそのままとらえる
②とらえた事実から導き出せる考えを“意見”としてもつ
③“意見”を論理的に説明、展開させていく(レポート作成)
また、様々な視点を持つことで、新しい発見や興味深い事柄や不思議をみつけやすくなることを紹介します。その一例として、変身立体を展示し、視覚的に「ありえない現象が目の前で起こっている」状況を見て、新たな不思議を感じたり、多方面から見つめて新たな発見をしたりすることで、「フシギ=タノシイ」を感じていただきます。

本編「見て、触って、フシギを発見」
ミカタ1「持ち上げてみる」
■段ボールを持ち上げる
重いダンボールを持ち上げる時に、そのまま持ち上げた場合と、空のダンボールの上に積み重ねて持ち上げた場合とでは、感じる重さに違いはあるのでしょうか?実際に比べていただき、感じる重さに違いがあるのか、違うとしたら、なぜそう感じるのかを考えていただきます。

ミカタ2「描いてみる」
■シマウマを描く
シマウマのしまは、どんな模様でしょう。想像したしま模様をシートに描いていただきます。描いたものと、シマウマの立体模型の模様を比較して、線の太さや並び方を確認するとともに、なぜそんな模様をしているのかを考えていただきます。

■ナナホシテントウを描く
赤地に黒丸模様が特徴のナナホシテントウは、どんな模様の配置でしょう。想像での模様をそのままシートに描いていただきます。ナナホシテントウは標本展示にてご紹介します。シマウマと同様、描いたものと、正解の模様を比較し、色や柄を確認するとともに、なぜそんな模様をしているのかを考えていただきます。
ミカタ3「さわってみる」
■さまざまな素材シートをさわる
鉄、木、ゴム、プラスチック、ガラス、etc.それぞれの素材に触れてみると、温度の感じ方に違いはあるのでしょうか。予想を立てて、実際に素材をさわって確かめていただきます。おそらく、ほとんどの方が“鉄が一番冷たい”と感じるのではないでしょうか。しかし、本当に鉄が一番冷たいのでしょうか。さわってみた感覚と調べた数値を比較して、気付くフシギを考えていただきます。

■BOXの中のものをさわる
BOXの中には何が入っているでしょう。BOXに手を入れてさわってみるとどんな感触でしょうか。フワフワ、チクチク、ザラザラ…?中身を想像していただき、大きさや形、感触をじっくり調べ想像することで、触覚だけの情報から新たな発見が得られるかもしれません。そんな体験をしていただきます。
ミカタ4「断面を見てみる」
■いろいろな切断した面をみる
野球ボール、ゴルフボール、ピンポン玉、貝殻などを切断したものを展示し、外側からは見えない視点について考え、予想してから観察していただきます。例えば、硬式野球ボール、軟式野球ボール、ソフトボールは見た目が似ていますが、中身は全く異なります。なぜこのような違いがあるのでしょうか。

■カギの断面をみる
アクリルで作られた鍵の模型を展示し、その断面(内部構造)を紹介することで、鍵の開閉ができるしくみを知っていただくとともに、さまざまな部品が連動して動く様子を観察していただきます。

ミカタ5「分解してみる」
■紙コップを分解する
紙コップはなぜ上げ底になっていたり、飲み口のところが丸まっているのでしょう。紙コップを分解することで、気づくしくみやフシギを体験します。紙コップの形状にひそむ様々なフシギを紹介し、紙コップとパネル展示や映像で新たな問題提起を促します。

■身近なものを分解する
ステープラー、電卓、洗濯バサミなど、身近な道具を分解して展示します。ちょっとした道具でも、実は多くの部品からできていることや、それぞれの役割やしくみについて観察していただきます。各部品がどの部品と連動して、どのようなつながりや役割をしているのかを考えていただきます。

■エンジンを分解する
車のエンジンの中身を見たことはありますか。この展示では、エンジンの内部構造を見ることができます。エンジンの基礎的な動作原理や各部品の役割を学び、部品点数の多さや精密さに驚かされることでしょう。また、技術の進化を実感しながら、エンジンのしくみやその技術の魅力に深く触れていただければと思います。
ミカタ6「並べてみる・比べてみる」
■どんぐり・まつぼっくりを並べてみる・比べてみる
どんぐり・まつぼっくりの仲間を並べたり比べたりして、おなじところ、ちがうところを見つけてみましょう。どこがおなじでどこがちがいますか。また、おなじところがあって、ちがうところがあるのは、なぜでしょう。上から下から横から断面から観察し、様々なフシギを発見しましょう。

■ペットボトルを比べる
ペットボトルはよく見ると、円柱型、角柱型などの様々な形をしています。形が違うのには理由があるのでしょうか。実はペットボトルは、炭酸、果汁入りなどの内容物、または充填方法によって、形を使い分けています。それぞれの形と使い分けとその理由について紹介します。
ミカタ7「仲間分けしてみる」【テーブルサイエンス】
■身近な素材のマグネットシートによる仲間分けをする
マグネットシートに書かれているものを「色」「形」「好き嫌い」「文字数」など、さまざまな観点から自由に仲間分けしていただきます。みなさん独自の視点で仲間分けを行っていただき、会期後半では、寄せられた多様な回答をクイズ形式で紹介します。

終章「科学の見方をつかってあたりまえを見つめ直し、不思議を発見しよう」
展示全体を通して多角的なものごとの見方、科学のとらえ方、楽しみ方を理解した上で、私たちの身の回りにある「フシギ」について来場者自らが考える機会を提供します。
■みんなの「フシギ」
身の回りのあたりまえを見つめ直し、「フシギ」だと感じることをカードに記入してもらい、館内に掲示します。それにより、自分以外の異なる視点からの意見や考え方・発見などを知っていただきます。
■スタンプラリー
各ミカタ1から7のコーナーにはそれぞれスタンプが用意されています。7つのコーナーを巡り、スタンプを集めることで、多様な科学の見方を体験していただきます。7つのカガクのミカタを全て体験しスタンプを集めた方には、ヨシタケシンスケ氏のイラスト入りのみなと科学館オリジナルノベルティをプレゼントいたします。
関連イベント
企画展の開催期間中には、以下の関連イベントを開催いたします。
■テーブルサイエンス「どんな仲間に分けられるかな?」 ©NHK
野菜、くだもの、乗りものなどのサンプルを「色」「形」「大きさ」「好き嫌い」「文字数」など、様々な独自の視点で仲間分けして並べていただきます。それにより様々な方法で仲間分けでき、多様な見方があることを学びます。
テーブルサイエンスは会期中毎日開催。9:00~20:00(最終受付は19:45)まで、ご予約不要でどなたでも無料でご参加いただけます。

■講座「くらべてみよう!どこがちがう?どこがおなじ?」
サツマイモとジャガイモ、どっちも同じイモだけど、よく見るとちがうイモ。似ているところやちがうところをいろいろ見つけてみよう。どうしてちがうのかな?
どうして同じなのかな?「比べる」ことで気づいたことや「なんで?」と思ったことはみんなに教えて!
自分以外の人の発見や疑問を取り入れて自分の見方を少し変えると、フシギの入口が大きく開かれるよ。科学する楽しさをぜひ感じてください。
講師:文系サイエンスライター宇津木聡史氏(「似ているけれどちがう生きもの図鑑」著者)
4月26日(土) ①10:30~11:30 ②14:00~15:00

■講座「トケイのふしぎ」
講師の指導のもと、時計の歴史や技術を学ぶとともに、ゼンマイ時計を分解し、各部品の役割やそれぞれのつながりを考え、その構造と複雑さ、精巧さに触れていただきます。
講師:株式会社日新堂
5月31日(土) ①10:30~11:30 ②14:00~15:00

■講座「作って体験!錯覚のフシギな世界」
国際ベスト錯覚コンテストで4回の優勝を誇る杉原厚吉先生が、錯覚のフシギな世界へと皆さんをお招きします。2010年5月にフロリダで開催された第6回ベスト錯覚コンテストで優勝した作品、『ありえない動きが見える不可能モーション立体の「なんでも吸引4方向すべり台」』をキットで制作します。
講師:明治大学先端数理科学インスティテュート研究特別教授杉原厚吉氏
6月8日(日) ①13:00~14:00 ②15:00~16:00

■イベント「カガクかもしれないフシギフェス」
3つのブースで、「カガクノミカタ」に関連した工作と体験が楽しめます。
A:ぶんぶんごまをつくろう!(約10 分間)
B:なんでも?スタンプ(約10 分間)
C:オリジナルサンバイザーをつくろう!(約10 分間)
3月27日(木)、4月5日(土)、5月4日(日) ①10:00~12:00 ②14:00~16:00
